この記事では、海外旅行において受託手荷物紛失(ロストバゲージ)の確率を下げる方法を紹介します。
ロストバゲージの起きる原因は沢山あります。コロナ明けの昨今、受託手荷物の積み残しが頻発しているのをご存知でしょうか?各航空会社はコロナの影響による大赤字を補填しようと凄い勢いで復便していますが、残念ながら、空港スタッフのマンパワーが足りていないのです(人手不足)。大体の航空会社は受託手荷物の取り扱い(搭降載)は別会社に委託していますが、スタッフの数が復便の勢いに追いついていないのも原因の1つです。では、受託手荷物紛失(ロストバゲージ)の確率を下げるためにはどのような対策が必要でしょうか?
早い目の搭乗手続きを!
受託手荷物はULDと呼ばれる航空機専用コンテナとパレットに搭載するのですが、搭乗手続き終了間際にチェックインされると、どうしても搭載に間に合わない場合があります。最近、日本からの出発時ではあまり見られませんが、特に海外では発生しています。必ず出発のチェックインは時間に余裕を持ってカウンターまでお越しください。
タグをきちんとつける
最近はチェックイン(搭乗手続き)も無人端末(KIOSK)で行うことが多くなり、パスポートをスキャンして必要情報を入力し、ボーディングパス(搭乗券)を受け取った後、受託手荷物のタグも自動で出てきます。これまでは搭乗手続きの際、チェックインのスタッフが丁寧に貼ってくれてましたが、搭乗者自身で受託手荷物にタグを貼り付けねばなりません。この作業ですが、実は簡単なようで結構コツが必要なのです。綺麗に貼るのは勿論ですが、とにかく粘着面同士をきちんと貼り合わせ、剥がれないようにする必要があります。
受託手荷物が紛失する原因の1つは、きちんと貼れていない為にこのタグ自体が剥がれてしまい、行先不明の荷物となることが意外と多いのです。実は紛失荷物の捜索が一番難航するのはこのパターンです。必ず丁寧に貼るように心がけましょう。
出来れば直行便を利用
航空券代を安くするために目的地まで幾つも経由して行かれる方がいます。経由すればするほど荷物紛失のリスクは上がります。例えば、同じアライアンス(スターアライアンス、ワンワールド、スカイチーム)同士での乗り継ぎならまだしも、アライアンスを超えての経由の場合は、そのリスクは極端に上がります。
旅慣れた方は経由地で一度、荷物をピックアップして預け直す方もいらっしゃいます。敢えてスルーチェックイン(最終目的地まで搭乗券も発行。受託手荷物も最終目的地までピックアップの必要なし)を外すといったテクニックが必要になります。多少の航空券代金の差であれば、直行便のご利用お勧めします。
乗継時間は余裕を持って
とはゆえ、直行便が飛んでいない行き先もあります。経由地がある場合、乗継時間に余裕を持ったスケジュールを組むのも方法です。乗継にはMCT(Minimum Connection Time 最低乗継時間)というものが設定されています。この時間に対してギリギリの乗継スケジュールは、次の便への再搭載が間に合わない可能性があります。
例えば、最初のフライトが遅延した場合、搭乗者はターミナルを疾走して乗継便に間に合ったとしても、受託手荷物が間に合わない場合があります。
余計なものを入れない
航空会社が規定に定めている受託不可のアイテムを入れている場合、当然チェックが入ります。最近、多いのはモバイルバッテリーです。容量オーバーのリチウムイオンバッテリーがスーツケースに入っている場合は搭乗者が呼び出され、場合によってはアイテムの没収となります。
海外ではその荷物(スーツケース)自体が搭載ラインから外され、念入りにチェックされ、結果的に搭載時間に間に合わずロストバゲージとなる可能性があります。必ず搭乗予定の航空会社のホームページをチェックし規定を必ず確認しておきましょう。
ちなみにリチウムイオンバッテリーをスーツケースに入れそのまま搭載され、何らかの影響で発火し運航に支障が生じた場合、貴方に予想もつかない程の多額の賠償金を請求される可能性もありますので、くれぐれもご注意ください。
そして、貴重品の盗難です。残念ながら2023年時点でもこの問題は完全解決はしておりません。各航空会社は受託手荷物の搭載作業は別会社に委託してます。国によってはその委託会社のスタッフが貴重品を盗むことも事実として発生しております。筆者への問い合わせに多いのは「スーツケースに入れておいたラップトップ(ノート型パソコン)が失くなりました。」というクレームです。
当然ながら、貴重品を預けた貴方が悪い!となります。どの航空会社も保険会社も貴重品に関しては保証対象外となります。このような貴重品は絶対に入れないようにしましょう。
事前準備
受託手荷物として預ける前に下記をお勧めします。
①ネームタグをつける。紛失及びタグが外れてしまった場合の紛失荷物の特定に役立ちます。
②荷物の写真を撮っておく。スーツケースならば、スーツケースの写真を撮っておいて下さい。荷物が紛失した場合、World Tracer(ワールドトレーサー)と呼ばれるシステムで航空会社は荷物を捜索します。その登録には「荷物の特徴」という項目があり、荷物の特徴が多ければ多いほど発見の可能性があります。荷物の写真(画像)を貼っておけば尚、捜索効率が上がります。
③荷物の中身を把握しておく。同じく上記のWorld Tracerの中に「荷物の内容について」という項目があります。特徴的な荷物の詳細があれば、捜索にプラスとなります。また万が一、見つからなかった場合の補償の際にも役立ちます。
④1泊分の生活必需品は機内持込へ。残念ながらロストバゲージの場合、見つかるまでに2−3日以上かかる場合があります。見つかってから滞在先までの配送にさらに日にちを要します。その間に着替えも何もないのは幾ら現地で代用品を購入するとはゆえ限界があります。本当に必要なものが現地に売っているとは限りません。少なくとも1日分の生活必需品は機内持ち込みをお勧めします。
⑤補償内容を事前に確認しておく。航空会社のホームページには、受託手荷物紛失の際の補償という項目があります。万が一、受託手荷物が紛失されてしまった場合、荷物が見つかるまでの必要な日用品の購入は幾らまで可能か?(必ず限度額が設定されています)そして、万が一、見つからなかった場合の補償限度額を確認しておいて下さい。(預けた荷物の全ての対象額を補償してくれるわけではありませんのでご注意を。)そして旅行保険の補償内容、クレジットカードの携行品補償の内容も事前に確認されることをお勧めします。
良いご旅行を!Von voyage
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