この記事は現役外資系航空会社勤務の筆者が、航空業界を目指す人たちに送るアドバイスです。
参考になれば嬉しいです。
航空業界で働く魅力とは?
- 旅行との関連性: 航空会社での仕事は、機内乗務員やグランドスタッフなど、旅行と密接に関わる仕事が多いです。多くの人が旅行を楽しむことを支える立場にいるため、旅行が好きな人にとっては夢のような職場と言えるでしょう。また、機内で世界中を飛び回るという魅力的な要素もあります。
- 国際的な環境: 航空会社は国境を越える多国籍のネットワークを持っており、国際的な環境での仕事が行われます。外国人との交流や異文化に触れる機会が多く、自分の言語や文化に限らず、世界規模での視野を広げたい人にとって魅力的です。
- チームワークとコミュニケーション: 航空会社での仕事は、機内乗務員やグランドスタッフなどが連携して一つのフライトを運営します。スムーズなフライトの遂行にはチームワークやコミュニケーション能力が重要であり、仲間と協力し合うことに喜びを感じる人々にとっては魅力的な職場です。
- 職業的な成長と挑戦: 航空会社での仕事は多様であり、機内乗務員、パイロット、グランドスタッフ、航空機整備士、販売やマーケティングなど多くの職種が存在します。自分の興味やスキルに合った職種を見つけ、新たなスキルを身につけることで職業的な成長と挑戦が期待できます。
- 複数の言語を使う機会: 航空会社は国際的な業務を行っているため、外国語を使用する機会が多くあります。外国語を話すことが好きな人や語学力を活かしたい人にとって、航空会社で働くことは、言語スキルの向上や国際的な交流を楽しむ絶好の機会です。
- 国と国を繋ぐ仕事:航空会社は、国と国を結ぶ架け橋です。その翼は文化や人々を抱擁し、世界を繋ぐ特殊な仕事です。航空会社は世界中の人々を繋げ、新たな未来を描く舞台を提供しています。
新型コロナウイルスで大打撃を受けた業界
とはゆえ、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは、航空会社にこれまで未経験の甚大な被害をもたらしました。
- 旅客需要の急減: COVID-19の拡大により、多くの国で国境が閉鎖され、旅行制限が課されました。これにより、国内線および国際線の旅客需要が急激に減少。旅客の減少により航空会社の収益が激減し、経営に大きな影響を及ぼしました。
- フライトの運休: 多くの国での渡航制限やロックダウンにより、航空会社は多数のフライトを運休せざるを得なくなりました。運休されたフライトは、航空会社の収益減少に拍車をかけました。
- 資金調達の困難: 航空会社は運航コストの一部を賄うために、航空機や設備の購入に多額の資金を必要とします。しかし、COVID-19の影響により航空業界全体が厳しい経済状況となり、資金調達がとても難しくなりました。
- 従業員への影響: 航空会社は人員削減や一時的な休職、給与削減などの対応を取ることで、コスト削減を図りました。多くの従業員が影響を受け、雇用の安定性に懸念が広がりました。
- 未来の見通し不透明: COVID-19パンデミックは未曾有の状況であり、未来の見通しが不透明です。旅行制限の緩和やワクチンの普及による回復のスピードは国や地域によって異なり、航空会社の経営計画に対する不確実性が高まっています。
これらの影響により、多くの航空会社が経営危機に直面してしまいました。
実は今、航空業界に入るには絶好のタイミングなのです
それでも憧れの航空業界で働きたい!!
そんな貴方に朗報です。今、航空業界の採用枠が著しく増えていることをご存知ですか?
- 拡大する需要: 航空業界は世界中の人々によって利用される交通手段として重要であり、需要が年々拡大しています。特に経済成長や航空旅行の普及により、航空機の利用が増加しています。
- 市場拡大: 多くの航空会社が新たな路線を開設し、既存のルートを増やすなど、業務拡大を行っています。これにより、新しいフライトや運航計画を遂行するために追加のスタッフが必要となっています。
- 航空機の増加: 新しい航空機が導入されるにつれて、それを運航するパイロットや整備士、機内乗務員などの需要も増えています。近年の技術革新により、より効率的で安全な航空機が登場しており、これに対応するスタッフが必要とされています。
- 高度な技術と知識: 航空業界では高度な技術と専門的な知識が求められます。特にパイロットや整備士、航空管制官などの職種は高度なトレーニングと資格が必要であり、これらの専門職に対する需要が高まっています。
- 人材の流動性: 航空業界は国際的な性質を持っており、人材の流動性が高いです。人材が世界中の航空会社や空港で求められており、競争が激しいため、人材の確保が課題となっています。
これらの要因により、航空業界では特に特定の職種や地域で人手不足が生じています。航空会社や関連企業は、人材の確保と定着に向けて、採用プロセスの改善や労働条件の改善、従業員の教育・育成に力を入れています。また、新しいテクノロジーや自動化の導入により、業務効率化や人材の活用を進める取り組みも行われています。
筆者は航空業界に25年以上おりますが、今が一番採用枠のピークと言っても過言ではありません。
そしてこの傾向はもう暫くは続くと思われます。
航空業界に就職する為には?
- 適切な学歴や資格の取得: 航空会社では、特にパイロットや航空機整備士などの専門職には適切な学歴や資格が必要です。航空に関連する学科を専攻する大学や専門学校への進学や、必要な資格を取得することが重要です。地上勤務者も同様です。自己アピールできる資格の取得も重要です。
- 語学力の向上: 国際的な環境での仕事が多い航空会社では、外国語力が重要な要素となります。特に英語力はほとんどの航空会社で必要とされるため、語学力を向上させることが求められます。
職種によって異なりますが、TOEICや英検など自分の語学力を証明できる資格は必須です。
また、就職したい航空会社の母国語の資格も保持していることも有利です。英語プラスアルファが求められます。 - プロフェッショナリズムの発揮: 航空会社は高い安全基準とサービスを提供することが求められる業界です。志望する職種に応じて、プロフェッショナルな姿勢や意識、そしてスキルを身につけることが重要です。これまでの経験の中で語れるエピソードを用意しておきましょう。(学生さんはこれまでのクラブやアルバイトでの経験からアピールできるエピソードを考えましょう)また、航空会社は顧客サービスが重要な要素となります。ホスピタリティ関連の資格やトレーニングを受けることで、顧客対応やサービス提供のスキルを磨くことができます。
- 面接対策と履歴書の準備: 航空会社の選考プロセスは厳格な場合が多いです。面接や履歴書の対策を行い、自分の経歴や志望動機をアピールすることが大切です。
- 安全への意識: 航空業界では安全性が最優先されます。応募する航空会社の安全対策や規定を理解し、安全意識を持つことが重要です。日々の生活の中で何か取り組んでいることはありますか?
- インターンシップや航空業界への関連経験: 航空業界に携わる経験やインターンシップを行うことで、業界に対する理解を深め、航空会社での就職に有利になる場合があります。また、航空業界ではリーダーシップスキルが重要です。学生時代にリーダーシップトレーニングを受けることで、将来のリーダーとしての能力をアピールできます。
- コンピュータスキル: 現代の航空業界ではコンピュータを活用した業務が増えています。コンピュータスキルやIT関連の資格を持っておくと、業務において有用なスキルとなります。
- 持続的な努力と情熱: 実はこれが一番、重要だったりします。航空業界はとにかく競争が激しい分野です。持続的な努力と情熱を持ち続け、目標に向かって努力することが必要です。筆者は20社以上の航空会社に応募しました。そして、一般企業を経て25歳の時に航空業界の門を開くことができました。
航空会社に就職するためには、それぞれの職種や航空会社の要件に合わせた努力を重ねることが大切です。また、業界の動向を把握し、自己成長を促進することも重要です。
まとめ
航空業界はかつて憧れの職業トップテンに入っていましたが、新型コロナウイルスの影響により、不安定な職種のイメージが強く人気が下がってしまいました。しかし、航空業界で働きたいと思うあなたにとって、今がそのタイミングなのです。
『航空会社はどのような人材が欲しいか?』 クルーや地上スタッフの採用経験もある筆者が申し上げるならば、『総合的にバランスの取れた人材が欲しいのです。』偏ることなく、俯瞰的に総合判断ができる人が重要と考えます。航空業界は決して楽な仕事ではありません。競争が激しく、過酷な労働条件や長時間の勤務もあることを理解し、自分の適性や目標に合った職種を選ぶことが重要です。
筆者は四半世紀にわたり、この航空業界におりますが、一度もこの決断を後悔したことはありません。大変なこともありますが、それでも魅力的であり、誇りを持てるお仕事と感じています。航空業界でのキャリアはやりがいに満ち、成長と経験の機会が豊富です。
航空業界は再び盛り上がることが期待されています。未来の可能性を信じ、自らの情熱を追い求めることで、航空業界で素晴らしいキャリアを築くことができるでしょう。ぜひあなたの夢を追いかけ、航空業界の魅力に満ちた世界で輝かせてください。
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